開業税理士へ:官報合格→税理士登録(所属税理士)を経て
私が開業税理士になるまでの流れを紹介いたします。
税理士試験合格後にどのような手続きがあるのか、どんな注意があるのかを大まかに知ることができます。
もくじ
合格から税理士登録まで
11月末:官報合格
理系大学院卒で、なかなか苦戦し、最後は2科目受験で、2つ同時に受かるなど有り得ないと思い込んでいたので、家族が官報を見て知らせを受ける。
12月初旬:税理士会へ登録手続書類の取り寄せ
管轄の税理士会に連絡し、登録に必要な書類を送ってもらう。履歴書を細かく書いたり、聞きなれない身分証明書(本籍地のある市区町村役場で発行される行政証明書で、個人が法律上の行為能力を具備しているかどうかを公的に証明するもの)の取り寄せなど、結構時間がかかる。
また、ほぼ同じ内容の書類を手書きするため、ある程度共通事項を記入したものをコピーして使いまわしをした。
日付を空欄にして提出しなければいけない書類がいくつかあり、書き直しもした。
事業所得があったので、その事業所得の内容説明を別用紙で求められた。
12月中:税理士会への登録書類の提出と審査
提出後、審査と登録予定日の書かれたスケジュール表が送られてくる。
審査は、管轄の税理士会の担当先生に来所していただき、注意事項などの確認を行った。
2月終わり:(所属)税理士登録完了
11月終わりの官報合格から急いで、2月終わりに登録通知が来て、所属税理士に。
この審査期間が一番、気分的に楽な期間だと、あとから思う。
※所属税理士:個人の税理士事務所に所属している税理士
※開業税理士:個人の税理士事務所の所長税理士
※社員税理士:税理士法人の社員としての税理士
3月1日:税理士会の登録会
登録してから最初の研修会、みたいな登録会。
税理士会の各機関の代表者による説明を受け、記念撮影を行い、各会(※)の会費を納付をする。ただし、税理士会など一部を除いて、任意入会。
※税理士会、協同組合、税政連、会館株式、その他各種制度
所属税理士から開業税理士まで
3月中:研修時間の消化
税理士は研修の受講が義務付けられており、年間36時間、年度区切りなので、3月入会の場合、3時間の受講義務。
現在はマルチメディア研修といって、オンライン受講できる研修が充実しているので、自宅で深夜も視聴できる。
ただし、毎日午前3時ごろにシステムメンテナンスが始まる。
3~4月:各所へ税理士登録の連絡
5~6月:7月に開業税理士になるための準備
父と所長を交代して開業税理士になるため準備作業。
・挨拶状
・税理士用電子証明書(電子申告カード)の作成
・インボイス番号発行
・事務所名を変えた封筒
・事業用銀行口座の準備
→ ネット銀行を駆使し、振込手数料無料回数を稼ぐ
・税理士会への所属税理士→開業税理士変更届
→ 代替わりのため比較的手続きが簡単だった
・社会保険の喪失届と事務所の全喪届(税務会計けんぽ脱退:新事務所の新規加入には審査があるため)
手続きに時間がかかると、保険証がない空白の期間が発生してしまうので注意
7月:開業(所長交代)
・必要なら借入手続 税理士会御用達の信用金庫など
・事務所名変更 → 事務所の表記の変更(事務所名カッティングシートや郵便受けなど)
・各種申請書 → 開業届、給与支払事務所、専従者、納特
・住民税、国税のダイレクト納付申請 → なるべくオンラインで納付するため
・請求書の事務所名変更
・税務代理申請
さっそくカードで電子申告を試みるも、エラー → 税務代理の申請が必要だった
→ 電子申請する → 数日後に紙で通知されるが、実際は翌日には税務代理可能に
・社会保険電子申請のためのGbizID取得
社員の協会けんぽ加入手続き → 新規加入
雇用保険、労災保険手続き → 名義変更のみ
・名義変更
営業車:車庫証明を取り、名義変更をディーラーへ依頼 約4千円
事業所保険
事務所の水道光熱費、通信費など
退職金共済制度
・税理士賠償責任保険加入
・自分の国民健保、国民年金加入手続き
・小規模企業共済加入
・iDeCoの被保険者種別の変更届出(忘れていた)
(・経営セーフティ共済は開業1年後でないと加入できない)
人材探しへ
私自身が理系大学院出身(天体物理学)なので、理系の方々でもその長所を活かせるような事務所にしていきたいと思っています。
大学で理系の学部を卒業していて、税理士業界に興味を持っている方など、歓迎です。
税理士事務所の業務は以下のようになります。
パートアルバイトでもできる部分
・PCでの入力作業 → エクセル集計、仕訳入力
・書類仕分け作業、とじ込み作業、決算書ファイル作成作業
税理士補助としての業務
・各種税制の確認などの情報収集
・申告書等の入力補助
・顧客ごとの資料収集状況の確認など
IT関係のスキル
税理士業界もITシステムが大きな役割を担ってきている以上、ITに詳しい人材が欲しいと思っています。
具体的には、次のようなことができる人材がいるとありがたいです。
スキルがなくても、資格取得費用の補助を積極的に行っていきたいと思います。
・簡単なWebシステムの開発(HTMLやJavascript、エクセルVBAなど)
・UiPathなどによるシステム自動化
私自身、情報システム関係の職場を経験(応用情報技術者試験まで合格)した経緯から、
かいけいセブンの計算ツールをHTML/Javascriptで開発しています。
UiPathの自動化は今後の挑戦課題です。