[医療費控除の計算] 還付,節税の目安一覧(計算ツールあり)#給料の月収年収手取り別,家族構成の例別

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おすすめ:『平成29年分からの医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)による金額表』 

医療費がいくらから医療費控除ができるのか、そしていくらぐらいの節税になるのかをまとめています。

医療費控除と高額療養費制度の違い

医療費控除とは

会社勤めの人やパート・アルバイトの人の場合、毎月給料から税金(所得税、住民税)や社会保険料(健康保険、厚生年金など)が天引きされています。

出産や入院などで、医療費が特に多くなった年は、「医療費控除(国税庁のページ)」として翌年2月3月の確定申告(もしくは翌年1月1日から5年以内に還付申告)を行うと、所得税が戻ってきたり、次年度の住民税が安くなったりします

※医療費控除は、会社でしてもらえる年末調整の対象外なので、自分で税務署へ申告する必要があります。

高額療養費制度とは

一方、「高額療養費制度(協会けんぽのページ)」というものがあり、これは1か月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。「医療費控除」は、この「高額療養費制度」により払い戻された医療費を差し引いて計算します。

※医療費控除で軽減される税額の計算方法は、
計算するツール」や「簡易的な計算」をご覧ください。

どういう場合に医療費控除を考えるか

医療費控除を受けるための手間(医療費集計や確定申告の作業)と、それによる税金の軽減額とを比べて判断します。

「これだけがんばったのに、これしか税金が戻ってこないの?」という結果にならないように、あらかじめ医療費総額をもとに医療費控除による減税効果を調べましょう。

また、医療費控除を確定申告する場合は、所得税において申告不要な給与以外の20万円以下の所得(NISAや特定口座内の利益などを除く雑所得など)も申告する義務が発生しますので、逆に税金が増えてしまうこともありえますので、シミュレーションツールを使って計算しておくと便利です。

給与のみの収入の場合、下の表を参考に、所得税と住民税とで合わせて減額される税金が”ある程度”大きければ、確定申告(あるいは還付申告)をして、税金が戻ってくるように手続きを済ませましょう。管轄の税務署で下記のいずれかの申告を行うことで、住民税も自動的に申告が完了します。

※確定申告:
 1年間の私の収入がこれだけあり、各種控除ができる特別な費用がこれだけで、納める税金はこれだけですという精算のための申告。2017年は3月15日(水)まで。サラリーマンの場合は会社が「年末調整」として同じようなことを代わりにしてくれていますが、医療費控除は確定申告(もしくは還付申告)が必要。

※還付申告:
 不動産収入や事業収入がなく、株式や配当・FXの申告もなく、確定申告義務のない主にサラリーマンで、年末調整の範囲外の控除などがあり税金が戻ってくる場合は、確定申告期間よりも前に申告(1月1日から)できますし、税務署が込んでいない3月を過ぎてからでも申告できます。(⇒還付申告)。特に年末調整を行ったサラリーマンで、医療費控除や、ふるさと納税による寄附金控除などの申告が該当します。また、過去の年分(5年間)の還付申告なら最寄の税務署で年中申告できますので、確定申告時期である2月3月ではなく空いている時期に済ませてしまうことをオススメします。

ただし、すべての費用が控除対象になるわけではありません。細かい話は後回しにして、計算結果を先に出します。

医療費控除による税金の軽減額を計算するツール

医療費控除により所得税だけではなく住民税も軽減されます。

以下のリンクのページでは、様々な所得や控除を入力して、その軽減額の目安を計算することができます。

【条件1】単身や、共働きの夫婦それぞれ(子なし/子供16歳未満)、扶養されているパート・アルバイトなど、控除が最低限の場合

条件:40歳未満、年収は給与収入(ボーナス込み、通勤手当は含まず)、社会保険料控除(厚生年金、健康保険、雇用保険加入)、他の控除なし。(寡夫・寡婦を除く)

※収入は夫婦合計ではなく、働いている一人一人の収入でそれぞれの目安の金額が決まります。
※他に所得がある場合やサラリーマンではない場合は、年収ではなく所得から読み取ってください。

表の「差引○○万円支払」というのは、実際に支払った医療費等から、受け取った保険金や還付額を差し引いた額です。「税の軽減」が還付(所得税)・減額(住民税)される金額の合計の目安です。

※収入と手取りの関係は過去記事「年収と税金の関係」をご覧ください。

天引き前
(額面)
天引
き前
平均
月収
所得 所得税
の税率
手取
年収
控除発生
基準額
差引
3万円
支払
差引
5万円
支払
差引
10万円
支払
差引
15万円
支払
差引
30万円
支払
税の軽減(所得税+住民税)
年収 100万 8.3万 35万 5% 99.6万 17500円
年収 105万 8.8万 40万 5% 103.6万 20000円 0.1万 0.3万 0.4万 0.4万 0.4万
年収 110万 9.2万 45万 5% 107.8万 22500円 0.1万 0.4万 1万 1.2万 1.2万
年収 120万 10万 55万 5% 116.3万 27500円 0.3万 1.1万 1.8万 2.7万
年収 130万 10.8万 65万 5% 109万 32500円 0.2万 1万 1.3万 1.4万
年収 140万 11.7万 75万 5% 116.3万 37500円 0.1万 0.9万 1.6万 2.7万
年収 150万 12.5万 85万 5% 123.6万 42500円 0.1万 0.8万 1.6万 3.8万
年収 200万 16.7万 122万 5% 161.5万 61000円 0.5万 1.3万 3.6万
年収 250万 20.8万 157万 5% 201.7万 78500円 0.3万 1万 3.3万
年収 300万 25万 192万 5% 237.6万 96000円 0.8万 3万
年収 350万 29.2万 227万 5% 276.4万 10万円 0.7万 3万
年収 400万 33.3万 266万 5% 314.6万 10万円 0.7万 3万
年収 450万 37.5万 306万 10% 352.3万 10万円 1万 3.3万
年収 500万 41.7万 346万 10% 390万 10万円 1万 4万
年収 550万 45.8万 386万 10% 423.7万 10万円 1万 4万
年収 600万 50万 426万 10% 461.4万 10万円 1万 4万
年収 650万 54.2万 466万 20% 498.5万 10万円 1.5万 4.6万
年収 700万 58.3万 510万 20% 527.9万 10万円 1.5万 6万
年収 1000万 83.3万 780万 20% 732.6万 10万円 1.5万 6万

【条件2】サラリーマンと専業主婦と16歳未満の子供たちの家庭

条件1に加えて、配偶者控除(38万円)を加えたものです。主に出産を迎えた家庭に多い条件かと思います。

天引き前
(額面)
天引
き前
平均
月収
所得 所得税
の税率
手取
年収
控除発生
基準額
差引
10万円
支払
差引
15万円
支払
差引
30万円
支払
差引
50万円
支払
税の軽減(所得税+住民税)
年収 250万 20.8万 157万 5% 207.2万 78500円 0.3万 1万 3.3万 6.3万
年収 300万 25万 192万 5% 243.1万 96000円 0.8万 3万 6.1万
年収 350万 29.2万 227万 5% 281.9万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 400万 33.3万 266万 5% 320.1万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 450万 37.5万 306万 5% 358.1万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 500万 41.7万 346万 10% 397.2万 10万円 1万 3.4万 6.4万
年収 550万 45.8万 386万 10% 430.8万 10万円 1万 4万 7.9万
年収 600万 50万 426万 10% 468.6万 10万円 1万 4万 8万
年収 650万 54.2万 466万 10% 506.3万 10万円 1万 4万 8万
年収 700万 58.3万 510万 20% 539万 10万円 1.1万 4.1万 8.2万
年収 750万 62.5万 555万 20% 571.6万 10万円 1.5万 6万 12.1万
年収 1000万 83.3万 780万 20% 743.7万 10万円 1.5万 6万 12.1万

【条件3】サラリーマンと専業主婦と高校生1人、大学生1人、同居の祖父1人

条件2に加えて、扶養控除(16歳以上19歳未満:38万円、19歳以上23歳未満:63万円、同居70歳以上:58万円)を加えたものです。

天引き前
(額面)
天引
き前
平均
月収
所得 所得税
の税率
手取
年収
控除発生
基準額
差引
15万円
支払
差引
30万円
支払
差引
50万円
支払
税の軽減(所得税+住民税)
年収 400万 33.3万 266万 5% 339.5万 10万円 0.2万 0.8万 0.8万
年収 450万 37.5万 306万 5% 380.4万 10万円 0.7万 1.4万 2.4万
年収 500万 41.7万 346万 5% 419.8万 10万円 0.7万 3万 5.9万
年収 550万 45.8万 386万 5% 455万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 600万 50万 426万 5% 494.5万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 650万 54.2万 466万 5% 534万 10万円 0.7万 3万 6万
年収 700万 58.3万 510万 5% 567.6万 10万円 1万 3.9万 6.9万
年収 750万 62.5万 555万 10% 604.3万 10万円 1万 4万 8万
年収 800万 66.7万 600万 10% 642.2万 10万円 1万 4万 8万
年収 850万 70.8万 645万 10% 681.5万 10万円 1万 4万 8万
年収 900万 75万 690万 20% 719.5万 10万円 1.5万 4.9万 8.9万
年収 950万 79.2万 735万 20% 754万 10万円 1.5万 6万 12.1万
年収 1000万 83.3万 780万 20% 788.5万 10万円 1.5万 6万 12.1万

まとめ(従来型の医療費控除制度)

還付される金額を左右する大きな要因として、以下の3つがあります。

①もともとの支払う税額の多さ(収入の多さや他の控除額の多さ)
②基準額(10万円か所得の5%のうち小さい方で足切り)
③医療費控除を申告しようとする人の所得税率

表の「税の軽減額(所得税+住民税)」の金額をみると、この3つの要因のせいで、統一的な傾向がつかみづらい結果になりました。

条件1の単身等の場合では、差し引きの支払う医療費等がそれほど多くないときは年収の少ない方(基準額の少ない方)が有利のようです。

しかし、条件3のように扶養の人数が多かったり、他の控除が十分にあると、年収400万円より低い方の収入では医療費控除の効果がなくなってしまいます。

条件によって還元率はそれほど高くない場合がありますので、医療費控除を申告して、差し引き支払った金額の10%が戻ってくれば儲けたな、というところでしょうか。

【新制度】平成29年分からの医療費控除の特例

平成29年からは、これまでの医療費控除(従来型の原則)と特例(いわゆるセルフメディケーション税制)の両方を比較して、より控除が大きいほうを選択することができるようになります。

特例の対象となるものは、主に市販の医薬品の購入金額です。ただし全ての医薬品ではなく、特定の医療用成分が入っているもののみです。対象かどうかはドラッグストア等で確認してください。

また、特例の特徴として、控除が発生する基準額が、所得にかかわらず1万2千円と、従来の制度より低くなります。

年間の医療費が10万円に達しなくても、医薬品の購入費だけを集めて1万2千円を超えていれば医療費控除を受けられるようになります。

ただし、特例を選択するには「一定の取り組み」をしたという証明書(厚生労働省のPDFを参照)の添付が必要になります。

次の表は、先の【条件1】(単身等)において、医療費控除の特例を選択した場合の、節税額の目安を並べたものです。従来型の医療費控除に比べて、敷居が低いですが、節税効果はそれほど高くないことが分かります。

※税の軽減額は、800円未満を切り捨て、800円以上を千円に切り上げています。

天引き前
(額面)

天引
き前
平均
月収
所得 所得税
の税率
手取
年収
控除発生
基準額
特定一般用医薬品等の購入額(年間)
2万円 2.5万円 3万円 5万円 10万円
税の軽減(所得税+住民税)
年収 100万 8.3万 35万 5% 99.6万







1



年収 105万 8.8万 40万 5% 103.6万 0.1万 0.2万 0.2万 0.3万 0.4万
年収 110万 9.2万 45万 5% 107.8万 0.1万 0.2万 0.3万 0.6万 1.1万
年収 120万 10万 55万 5% 116.3万 0.1万 0.2万 0.3万 0.6万 1.3万
年収 130万 10.8万 65万 5% 109万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.2万
年収 140万 11.7万 75万 5% 116.3万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.3万
年収 150万 12.5万 85万 5% 123.6万 0.1万 0.2万 0.3万 0.6万 1.3万
年収 200万 16.7万 122万 5% 161.5万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.3万
年収 250万 20.8万 157万 5% 201.7万 0.1万 0.2万 0.2万 0.6万 1.3万
年収 300万 25万 192万 5% 237.6万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.3万
年収 350万 29.2万 227万 5% 276.4万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.3万
年収 400万 33.3万 266万 5% 314.6万 0.1万 0.2万 0.2万 0.5万 1.3万
年収 450万 37.5万 306万 10% 352.3万 0.1万 0.2万 0.3万 0.7万 1.6万
年収 500万 41.7万 346万 10% 390万 0.1万 0.3万 0.4万 0.8万 1.8万
年収 550万 45.8万 386万 10% 423.7万 0.1万 0.2万 0.3万 0.7万 1.8万
年収 600万 50万 426万 10% 461.4万 0.1万 0.2万 0.3万 0.7万 1.8万
年収 650万 54.2万 466万 20% 498.5万 0.2万 0.4万 0.5万 1.1万 2.3万
年収 700万 58.3万 510万 20% 527.9万 0.2万 0.4万 0.5万 1.1万 2.6万
年収 1000万 83.3万 780万 20% 732.6万 0.2万 0.4万 0.5万 1.1万 2.6万

医療費控除の対象になるもの

来年2月16日~3月15日の確定申告で所得税の還付を受けるための準備として、
まず、すべての医療費に関係するレシートを保管しておきます。

医療費控除という制度は、
その年の医療費がおよそ10万円(※)に満たないと対象外ですが、
出産や入院で差し引き10万円を超えることがあります。
(※先の表に示すように、所得が低い場合はこの基準となる額10万円はもっと低くなります)

ですので、平年では10万円には届かない
家族みんな(※)の医療費(歯医者や、風邪や怪我での通院費、お薬代など)も合算して
さらに多くの控除をしてもらうことができます。
(※生計を同じにしている家族です)

控除対象として認められるものは大まかには、
診療、治療、療養を目的とした医療費とそれに付随する費用です。
⇒参考:国税庁ホームページ
医療費控除の対象となる医療費

例えば、
・風邪薬などの市販の医薬品
・腰痛等の治療のための鍼灸
・視力回復の手術であるレーシック
・介護用のおむつ代
(※おおむね6ヶ月以上寝たきりで、医師などが証明した「おむつ使用証明書」が必要)
・介護費用については、領収書に控除対象の金額が書いてあることがあります。

・出産に関して
妊娠と診断されてからの定期健診や検査費用(通院費用含む)。
妊婦検診の費用は、補助券分を差し引いた、実際に払った額です。
産後の乳腺炎などで行う母乳マッサージも対象になるようです。
妊娠前の不妊治療も控除対象になります。

⇒参考:国税庁ホームページ
医療費控除の対象となる出産費用の具体例

・交通費について
通院費は自家用車の駐車料金、ガソリン代は含めません。
また、電車やバスのレシートはないので、
利用した日付と区間と金額をメモしておきます。

※控除対象外のもの
・臨床心理士(医師ではないカウンセラー)によるカウンセリング代
・健康診断やインフルエンザ接種など予防のための費用
・市販の育毛剤や発毛剤
などたくさんありますが、割愛。

簡易的な計算

細かい部分を省略しておおまかな計算をすると、
医療費控除による税金の軽減額は以下のようになります。
より細かい計算をしたものは先の表に示した通りです。

(支払った医療費等-補てんされた金額-基準額)×(所得税率5~45%+住民税率10%)

基準額:年収にもよりますがだいたい10万円。

補てんされた額:保険金や一時金、高額療養費制度で戻ってきた額を差し引く
例:出生育児一時金42万円は差し引く
出産費用全額を自己負担(窓口支払やクレジット支払)した場合ですが、
全医療費を集計し終わった後に、42万円を「補てんされた額」として差し引きます。

所得税率:一般家庭ですと、だいたい5%か10%。

例:高額療養費制度の払戻額
1か月に同じ医療機関で高額の医療費を負担した場合は、
「高額療養費制度」により負担した一部の医療費が払戻されます。

大きな医療費を払ったけど確定申告していなかった場合

面倒だったり、特に気にしていなかったりで、
出産・手術などをした年の分の確定申告をしていなかった…という場合は、
もしレシートとその年の産婦や夫の源泉徴収票が残っているなら、
払った年の翌年1月1日から5年間まで申告できるので、
毎年2月3月の確定申告無料相談会や
近くの税務署、税理士等に聞いてみるといいです。